香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2020年01月28日

赤ちゃんの匂いと嗅覚について

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今シーズンは暖冬などと世間で言われていますが、寒さが苦手な私にとって冬はやっぱり辛いです。

ポカポカの春が待ち遠しい今日この頃ですが、今回は赤ちゃんの匂いと嗅覚について、少しお話したいと思います。
実は昨年の9月、我が家に新たな命が誕生したのですが、赤ちゃんの手のひらの匂いって嗅いだ事はありますか?

生後2か月くらまでの赤ちゃんは基本的に手をギュッと握っている事が多く、
手に汗をたくさんかいているので、ヨーグルトの乳清のようなとっても酸っぱい匂いがします。

それが生後3~4か月くらい経ち、体をよく動かすようになると
手のひらを開けている時間も長くなるので、いつしかあの独特の酸っぱい匂いは消えてしまいます。
日々成長する姿を見るのはとても楽しいですが、もうあの匂いが嗅げないのかと考えると少し寂しい気持ちにもなります。(笑)

少し話は変わりますが、赤ちゃんの嗅覚ってどのくらい発達しているのだろうと気になって調べてみたところ、
新生児でも十分発達していて、一説によると高齢者よりも嗅覚能力は高いのだとか。

1日の大半は眠っていて視力自体も発達していない新生児の赤ちゃんが、
お母さんのオッパイを探し当てられるのも、母乳の匂いに反応しているからなどと言われています。

市場には五感に働きかける赤ちゃんのオモチャがたくさんありますが、
最近ではバニラやフルーツの甘い匂いがするぬいぐるみも存在するくらいです。

やはり匂いというものをしっかり認識しているからなのでしょうね。

嗅覚は20代をピークに少しずつ衰えてくると言われているので、逆を返せば赤ちゃんにはまだ伸びしろがあるってことです。
息子の嗅覚がこれからもっと発達していくのかと思うと、普段香料開発を生業としている自分には羨ましい限りです。

DMK

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