香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2013年04月09日

パパイヤエッグ

先日、中国の広東省に出張しました。現地の取引先の方が夕食に誘って下さり地元の料理店へ。
中国へは何度か来ているので、その度に一度や二度「これは無いわ」という料理に巡り合うのですが、今回の印象に残ったものを一つご紹介します。
ご覧の写真のものですが、これは温めたパパイヤの果実の中にカエルの卵巣を詰めたものです。少し分かりづらいですが、中心の卵巣部分に別添のソース(ココナツミルクとシュガーシロップ)を掛けていただきます。
DSC_0078.jpg
個人的には、ヌルっとした食感とシロップの強い甘さの後に来る生臭さが感じたので、残念ながらイマイチでした。カエルの卵巣という想像がマイナスに働いたのか??・・・。
同席した人の中には、特に卵巣にはクセがないし、パパイヤとソースの甘さとの組み合わせは悪くないという意見の方も居ました。この地域では割とポピュラーなもののようなので、慣れると美味なのかも知れません。
しかし、日本に帰ってきてからも、何故パパイヤとカエルの卵巣という組み合わせなのか?それも何故パパイヤを温めるのか(最初は果皮部分も触れないぐらい熱い)?等、気になって仕方なくなった。
カエルの卵巣がどうという話ではありません。我々魚食い文化の日本人は、色んな魚卵を食べまくります。私が好きな明太子入りの卵焼きなどは卵×卵。おかしいと思う外国人の方もいらっしゃるかも知れません。一言で言うと食文化の違いでしょう。
で、結局自分の中で勝手に理由付けし理解したのは、以下のような点に落ち着きました(笑
まず、パパイヤの栄養や機能性についてはビタミン類が豊富で、免疫力を高めると言われているイソチオシアネートも含まれており優秀と言えるでしょう。このイソチオシアネート類はワサビなどの香料の原料としても利用されています。
また、パパイヤに含まれる消化酵素としてパパインも有名ですよね。
カエルの卵巣ですが、これは大変コラーゲンが多く美肌効果が抜群ではないかと思われます!?が、それ以外はよく分かりません・・・。
この二つの食材が亜熱帯気候に属するこの地域で豊富に採れる食材の中で、ビタミン、免疫力促進、コラーゲン タンパク質分解酵素というキーワード健康で若々しい体を維持するのに非常に良い組み合わせと考えられたのが始まりでは?と想像しています。
中国の食文化は奥が深いです。

[カオリーマン]

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